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ヒルサイドウエスト
A邸
1998
私たちが参加することとなったA邸は、A棟の最上階のメゾネット住戸である。このプロジェクトに参加する時点で、メゾネットをつなぐ階段はすでに設置されており、浴室の位置も決定されていた。私たちに求められたのは、リアルタイムに進行するプロジェクトにかかわり合いながら、自立した住宅の空間をつくることだった。与えられた領域は、間口1スパン×桁行き3スパン、天井高2,425mmの南北に開放された大らかな空間だったが、事務所としての基準階をベースにする平面を、いかに住宅と結びつけるかが課題となった。インテリアとして独自の世界に内向するのではなく、建物本体と自然と連係しつつ、特定の住宅としてのアイデンティティをもてる内部空間をつくりたいと考えた。